歯の抜ける夢を見た

――――一面真っ白な壁面の部屋。
白いパイプベッド一台にこれまた白いレースカーテン。窓が半分開いていて風でカーテンがたなびいている。
光沢のあるリノリウム張りの床。ここは病室なのか?
それにしても部屋の景色が妙に青白い。光の加減か俺の目がおかしくなったのか?

―――喉が渇いた。それに、口の中が妙にジャラジャラする。
視線を彷徨わせると部屋の隅にこれまた青白く照らされた陶器の洗面台が映る。よろめきつつ近づき、プラスチックのコップに水を満たしまずは口を漱ぐ。

ジャラッ、という小さくも硬い音と共に洗面台に広がったのは、信じられない量の、歯。ざっと見ても10本はある。
まさか! と思い慌てて口中を舌でまさぐる。あれだけ大量に歯を吐き出したにも関わらずなぜか歯は揃っている。しかしそのどれもがグラついている。
全く痛みはないし出血はない。しかし口のざらつきはますますひどくなる。まるで砂を含んでいるようだ。
堪え切れずまた水を含み吐き出す。
抜けた歯、再び。
これでもなお渇きとザラつきは収まらず、口の中を漱ぎ続ける。何度も何度も。
漱ぎを繰り返しその度に大量の歯を吐き出しているはずだが、不思議なことに洗面台には歯が堆積していかない。常に10数本程度が散らばるのみ。まるで同じ場面を繰り返しているみたいだ・・・


―――ここで、目が覚める。
慌てて口の中を舌で確かめるが、当然ながら歯は全て無事。
襟回りに絞れるくらいの量の寝汗そして喉の酷い渇きを除いては、とりあえず身体に何の異常もない。
時計を見ると、4時。夜明けにはもう少しかかる時間。
ファンヒーターをつけると液晶に示された室内温度は0℃。
冷え切った空気を吸い込んで大きく吐息をつき、氷のように冷たいパジャマを着替えて洗濯機に放り込んだあと、改めて歯を磨いたのである。




・・・それにしても、歯の抜ける夢は久しぶりだ。
最後に見たのは去年の4〜5月あたりだと記憶している。あの時はわりと頻繁にこのような夢を見た。あと早番出勤の前夜にもこんな夢で起こされた気がする。
気になり「歯の抜ける夢」でGoogle検索してみる。夢占いでは以下の概念が当てはまるそうな。


【歯が抜ける夢】
歯が抜ける夢は、あなたが自信喪失になっていることを表します。
老化や自分の魅力を失ってしまうのではないかなど、大切な何かを失ってしまうのではないか、という不安感を表します。
トイレ掃除するといいですよ。

【歯がゴッソリ抜けてしまう夢】
歯自体には何の問題もないのに歯がゴッソリ抜けてしまう夢は、自分の性的な魅力がなくなることの恐れを表します。
住まいが散らかってませんか?
部屋の片付けをすることで運気が上がっていきます。

【歯がグラグラになっている夢】
歯がグラグラになっている夢は、あなたの健康状態が良くない事を表しています。
健康管理に気をつけましょう。
特に睡眠時間が足りていないように私には思えますよ。いかがですか?

『夢占いの部屋』より抜粋
http://yumenouranai.com/archives/200.html


・・・・・・・・・orz
なんてことだ。どれもが恐ろしいくらいに当てはまっている。
自信喪失というのはその通りだ。去年の4〜5月といえば異動になったばかり。労働環境が劇的に変化&悪化ということもあり苦難そのものだった。
そもそも性的魅力なんざハナっから持ち合わせていない(> <;)からそれはいいとして、住まいが散らかっているというのはもう当てはまりすぎてぐうの音も出ない。
そして睡眠時間。早番出勤の日はせいぜい3時間程度しか眠れない。睡眠不足というのも納得だ。

夢というのは、自分の脳が自分に発するシグナルなのか。これは自戒とせねばならないな。・・・まずは部屋片付けるか。